震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

相続放棄の申出期限の延長

Q:仙台市在住の者(31歳)です。今回の津波で父を亡くしてしまいました。

 どうやら父には莫大な借金があったようなのですが、私が父に代わって借金を支払わなければならないのでしょうか。

A:相続放棄をすることで、借金の支払を免れることが考えられます。

具体的には、親族の死亡などで自己のために相続開始があったことを知った時から3カ月以内に、家庭裁判所に相続の放棄をする旨の申し出をすることになります(民法915条1項本文、938条)

 

Q:本日の時点では、父が亡くなったと考えられる日から3カ月以上経過しています。

 この場合は、もはや相続放棄はできなくなるのでしょうか。

A:ご安心ください。平成23年6月17日に成立した「東日本大震災に伴う相続の承認又は放棄をすべき期間に係る民法の特例に関する法律」により、東日本大震災で親族を亡くした被災者については、相続放棄の申し出の期限が同年11月30日まで延長されることとなりました。

 あなたのように震災から3か月の6月11日にすでに期限を迎えた人も、さかのぼって上記法律が適用されるので、11月30日までであれば相続放棄ができます。

 

Q:仮に、私が福岡市に住んでいた場合にも、上記法律は適用されるのですか。

A:いいえ、適用されません。

 上記Aにおける「被災者」とは、東日本大震災に際し災害救助法が適用された市町村の区域(東京都の区域を除く。)に同日において住所を有していた者をいうからです。

 災害救助法の適用市町村については、厚労省の下記HPなどでご確認ください。

   http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014j2y.html

 

Q:私の母は今年1月に病死しています。

 母にも多額の借金があったので、できれば相続放棄をしたいと考えています。

 震災と無関係に亡くなった母についても、相続放棄の期間が延長されるのでしょうか。

A:はい、延長されます。

 平成22年12月11日以降に亡くなった方については、上記法律が適用されるからです。

震災時が「被災者」にとって、相続放棄の判断期間中であったことに対する配慮がなされた結果の立法です。