Q:今回の津波で家が流されて消失してしまいました。
直ぐに新しい家を建て直そうと思ったのですが、法律でできなくなったと聞きました。
本当でしょうか。
A:建築基準法84条は市街地に災害のあった場合に、区域を指定して最大2ヶ月間その区域内の建築物の建築を制限または禁止することができると定めています。
復旧・復興にあたっては「新しいまち作り」という観点が必要であり、無秩序な建物の建築を防止しようというものです。
Q:実際にこのような制限がなされているのですか。
A:宮城県内では、宮城県、仙台市、石巻市が建築基準法84条の制限の権限を有しています。
宮城県は津波により建築物が大規模に流失した沿岸部に位置する気仙沼市、名取市、東松島市、女川町、南三陸町の3市2町に対して、区域を指定して、5月11日まで建築制限を告示しました。石巻市も区域を指定して同様に5月11日まで建築制限を告示しました。
仙台市でも今後同様の措置が取られる可能性があります(4月17日現在)。
Q:震災後2ヶ月経過すれば、建物の建築ができるのですか。
A:現在の建築基準法ではそうなのですが、今回のような極めて大規模な市街地の壊滅からすると、2ヶ月で計画的なまち作りの方針を策定するのは難しいと思われます。
そこで政府は建築制限を最大8ヶ月まで延長できるように法律改正することを決めました。
直ぐに建て直したいというお気持ちは良く解りますが、新しいまち作りのために協力して下さい。
(関弁連編集の「Q&A 災害時の法律実務ハンドブック」(新日本法規)及び近弁連編集の「地震に伴う法律問題Q&A」(商事法務研究会)を基にして、解りやすく説明しました。)