震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

マンションの復旧

Q:青葉マンション601号室を区分所有して住んでいる者です。

 地震でマンションが大きく損壊してしまいました。

 復旧させるには、法律上どうしたらよいのでしょうか。

A:まず、マンションの自室部分は、建物の区分所有に関する法律(以下「区分所有法」といいます。)上、専有部分に当たります。

 専有部分の復旧は、区分所有者が各自の負担でしなければなりません(区分所有法61条1項)。

 よって、自室部分の復旧工事はあなたの負担ですることとなります。

 

Q:ロビーやエレベーター等の復旧についてはどうなりますか。

A:ロビーやエレベーター等は、区分所有法上、共有部分に当たります。

 同法では、マンションの損壊の程度を「小規模滅失」と「大規模滅失」に分けた上で、異なった取り扱いがなされております。

 

Q:まず、小規模滅失の場合の復旧手続について教えて下さい。

A:「小規模滅失」とは、建物の価格の2分の1以下が滅失した場合をいいます。

 この場合は、規約で別段の定めがない限り、集会の普通決議、すなわち区分所有者の頭数と議決権(専有部分の床面積によって決まります)の過半数で決まります(同法61条3項)。

 また、集会で復旧の決議がなされるまでは、各区分所有者が単独で復旧工事をすることもできます(同条1項)。

 

Q:修繕費用の負担はどうなりますか。

A:規約で別段の定めがない限り、各区分所有者が専有部分の床面積の割合に応じて負担することとなります。

 

Q:次に、大規模滅失の場合の復旧手続について教えて下さい。

A:「大規模滅失」とは、建物の価格の2分の1を超えて滅失した場合をいいます。

 この場合は、区分所有者の頭数と議決権の4分の3以上の賛成がないと復旧工事ができません(同法61条5項)。

 

Q:区分所有者の中には、復旧費用が多額となった場合、決議に反対すると言っている人がいます。

 反対者にはどのような権利が認められているのですか。

A:所有する区分所有権を賛成者に時価で買い取らせて、区分所有関係から離脱することが認められています(同条7項)。

 

Q:大規模滅失と小規模滅失はどう区別するのですか。

A:被災前後の建物の価格の比較によって決まります。

 もっとも、判定が困難なケースも多いと思います。

 最終的には不動産鑑定士による鑑定が必要となる場合もでてくるでしょう。

 

(関弁連編集の「Q&A 災害時の法律実務ハンドブック」(新日本法規)及び近弁連編集の「地震に伴う法律問題Q&A」(商事法務研究会)を基にして、解りやすく説明しました。)