震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

地震と犯罪

Q:倒壊した家の下の金庫に現金や通帳が入っているので、心配です。

A:一般に、窃盗とは「人が占有している物」を窃取することです。

 占有とは、物に対する事実上の支配又はその可能性があることをいいます。

 家が倒壊して人が住んでいない場合でも、家自体はもちろん家の下にある物については、家の持主の占有が認められるのが通常です。

 従ってそこから盗めば、窃盗になります。なお金庫というのは、本来火事や盗難から中の物を守るための設備ですから、金庫を破って中の物を取り出せば、それだけで窃盗になるという考え方もあります。

 

Q:津波で流された物はどうでしょうか。

A:津波によって大切な書類や沢山の思い出の品が流されました。

 これらは、なんらかの価値ある物である限り、単なる瓦礫ではなく、遺失物に当たると考えられます。

 旧遺失物法は、「漂流物」を準遺失物として挙げていたのですが、新法にはありません。

 しかし漂流物はやはり新法の「その他の占有を離れた物」に含まれることは間違いないでしょう。

 従って、勝手に自分の物にすれば、遺失物横領になります。

 

Q:これから犯罪は増えるのでしょうか。

A:確実な予測はむずかしいのですが、戦争と犯罪の関係から類推してみると、戦中は国民すべてが空襲や疎開といった緊張した生活を強いられたので、かえって犯罪は少なかった。

 昭和20年の敗戦後の数年に犯罪が急激に増えたのです。

 今度の震災でも、今は被災民、国民一丸となって当面の復旧に全力をあげていますが、一応復興の道筋がついてほつとした頃が警戒を要するといえるかもしれません。