震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

請負における工期及び代金の変更の可否

Q:建設会社を経営しています。

 今回の震災で、建築資材が入ってこなくなり、工事に携わる人の確保も難しくなり、工期が大幅に伸びそうです。

 違約金が発生しますか。

A:請負工事の場合にはほとんどが契約書を締結しているはずです。

 最も多く用いられている民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款30条によれば、違約金の発生は請負者に責任のあることが前提とされています。

 今回の震災は震度7というとてつもなく大きなものですので、それによって工期が伸びても直ちには違約金は発生しないと考えられます。

 

Q:工期の延長についてはどうすればよいのですか。

A:前項の契約約款28条によれば、不可抗力等の正当な理由がある場合には、請負者から工期の延長を請求することができると定められています。

 震度7という極めて大きな地震により、その後も物も人も動かない状況では正当な理由があると考えられます。

 この約款を基にして、工期延長を請求して、施主と協議して下さい。

 

Q:この震災の影響で建築資材の価格が高騰し、また人不足により下請の労賃も大幅に上がったことを理由に価格の値上げを要求されています。

 口頭で単価の合意はしていましたが、契約書は結んでいなかったのです。

 値上げに応じなければなりませんか。

A:口頭で合意をしていれば、一応は契約が成立していると考えられます。

 しかし、きちんとした契約書が無い以上、現実問題としては値上げに応じなければ工事は進まないのが難しいところです。

 

Q:一方、施主とはきちんと契約書を締結しているのですが、この契約上の請負代金についても値上げしてもらわないと大きな損失が出て、会社の存続が難しくなります。

 値上げの要求ができますか。

A:前述の契約約款29条によれば、経済事情の激変などによって請負金額が明らかに適当でないと認められるときには代金の変更を求めることができると規定されています。

 震度7という極めて大きな地震により、下請の単価も大幅に上がったということが経済事情の激変と捉えられるとすれば値上げも可能性があります。いずれにしても、施主とよく協議することが必要でしょう。

 

(関弁連編集の「Q&A 災害時の法律実務ハンドブック」(新日本法規)及び近弁連編集の「地震に伴う法律問題Q&A」(商事法務研究会)を基にして、解りやすく説明しました。)