震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

貨物運送の問題

Q:私は小さな運送会社を経営しています。

 今回の地震の際も1台のトラックの行き先が津波によって道が分断されてしまいました。

 回り道は山沿いで危険です。どうすべきでしたか。

A運送契約は荷物を目的地まで届ける内容ですが、今回の地震のような場合は、運送できなくても不可抗力と考えられます。

 危険な山沿いの回り道をしてまで運送する義務はありません。

 

Q:別の1台は地震で横転してしまい、荷物は完全に壊れてしまいました。

 損害賠償の責任を負う必要があるのでしょうか。

A商法577条は運送会社やその運転手が運送について注意を怠らなかったことを証明できる場合には責任を負わないと定めています。

 今回の地震は不可抗力ですので、注意を怠らなかったとして免責されます。

 また、一般的な運送契約書では、「地震、津波、高潮、大水、暴風雨、地すべり、山崩れ等その他の天災の場合」には免責されると規定されています。

  

Q:実は原発の屋内待避地域に明日の期日指定で依頼されていた荷物の運送があるのですが、何とか届けてあげたいと思う一方、従業員の安全を考えると結論が出せません。

A原発の不安は今回の震災の大きなファクターです。

 屋内待避地域のお客様のことを思うと、運送会社として何としてでも届けたいという思いは当然です。

 その一方会社の経営者として実際に運転していく従業員の安全に配慮するのも良く理解できます。

 政府から屋内待避地域にも自主避難が勧告されている状況を踏まえると、法律的な問題と道義的な問題が切り離せず、極めて難しい判断になります。

 まずは、該当地域の自治体災害対策本部と協議して下さい。

 

(関弁連編集の「Q&A 災害時の法律実務ハンドブック」(新日本法規)及び近弁連編集の「地震に伴う法律問題Q&A」(商事法務研究会)を基にして、解りやすく説明しました。)