震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

預金通帳・キャッシュカードの紛失

Q:今回の地震では荷物を持ち出すいとまもなく、身体一つで家から逃げましたが、家は地震後の火災で焼失してしまいました。

 預金を下ろそうと思うのですが、通帳もカードもありません。

A:金融機関は普段は預金の払い戻しについて、預金者との同一性を厳密に証明することを要求しています。

 きちんと同一性を確認しないで払い戻しに応じた金融機関に過失を認める裁判例がいくつか出されているからです(東京地裁平成11年4月22日判決等)。

 

Q:そうなると、通帳もカードもない私は預金を下ろせないのですか。

A:今回は地震の規模と被害の大きさに鑑みて、地震当日に、金融庁と日本銀行が金融機関に対して、柔軟な取扱をするようにという要請を出しました。

 具体的には次のような内容です。

  ・ 通帳を紛失した場合でも預金者であることを確認して払い戻しに応じること。

  ・ 届出の印鑑のない場合には拇印にて応じること。

  ・ 事情によっては、定期預金・定期積金の期限前払い戻しに応じること。

 

Q:預金者であることの確認にはどのようなものが必要なのでしょうか。

A:本人であると確認できる書類ですので、運転免許証、保険証、身分証明書等があればよいでしょう。

 もっとも身体一つで逃げた場合には、それらの書類も無いことがあり得ます。

 そのような場合でも前問の要請を踏まえて、多くの金融機関は杓子定規ではなく、個別事情を踏まえた対応をしてくれているようです。

 

Q:地震の4日後が給料の振込み日だったのですが、振込まれる口座のある支店はまだ営業していません。ちゃんと振り込まれているのでしょうか。

A:勤務している会社が給与振込の手続を行っていれば、口座には振込がなされているはずです。

 会社や振込金融機関に確認して下さい。そうした上で営業している別の支店で前記の通り、払い戻しについて対応してもらって下さい。

 

(関弁連編集の「Q&A 災害時の法律実務ハンドブック」(新日本法規)及び近弁連編集の「地震に伴う法律問題Q&A」(商事法務研究会)を基にして、解りやすく説明しました。)