震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

従兄弟が行方不明の場合の財産管理

Q:津波で従兄弟が行方不明のままです。

従兄弟には財産があるのですが、誰が財産管理をするのでしょうか。

A:従兄弟の方が未成年者で法定代理人(親権者など)がいる場合、あるいは、成年者でも前もって自ら財産管理人(任意後見人など)を定めていた場合には、その方が財産管理をします。

 

Q:従兄弟は45歳でしたが財産管理人はいないようです。

 その場合はどうなりますか。

A:従兄弟の方の推定相続人・債権者あるいは担保権者等の利害関係人や検察官が、家庭裁判所に財産管理人の選任の申立てを行い、選任された財産管理人が財産管理をします(民法25条1項)。

 いわゆる不在者の財産管理人と呼ばれる制度です。

 

Q:私が財産管理人として選任されそうです。

 従兄弟の家の窓ガラスが割れていて危ないのですが、財産管理人である私がガラスを買って据え付けることはできますか。

A:財産管理人は、原則として管理行為、すなわち、保存行為や目的物または権利の性質を変えない範囲内の利用又は改良を目的とする行為のみができます(民法28条・103条)。

 本件における行為は、保存行為に当たるといえるので、ガラスを買って据え付けることはできます。

 

Q:従兄弟の家は誰も住んでいない状態になってしまいましたが、私が家を売却することはできますか。

A:管理行為には当たらないので、当然にはできません。

 もっとも、裁判所の許可があれば、管理行為以外の行為も行えます(民法28条)。

 したがって、裁判所の許可を得てから売却して下さい。

 

(関弁連編集の「Q&A 災害時の法律実務ハンドブック」(新日本法規)及び近弁連編集の「地震に伴う法律問題Q&A」(商事法務研究会)を基にして、解りやすく説明しました。)