震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

ブロック塀の倒壊

Q:今回の地震で私の家のブロック塀が倒壊してしまい、隣の家の車庫の一部を壊してしまいました。

 損害を賠償しなければならないのでしょうか。

A:そのブロック塀は何時築造したものですか。

 

Q:20年前の自宅新築時に作ったブロック塀ですので、平成3年です。

 確か、昭和53年の宮城県沖地震の後で、塀の安全基準が厳しくなり、それに従って施工したと聞いています。

A:宮城県沖地震の後に倒壊したブロック塀についていくつかの裁判が出されました。

 仙台地裁の平成4年4月8日判決は震度5程度の地震に対して安全性があるか否かを判断の基準にしました。

 その後の建築基準法施行令もブロック塀の安全基準として震度5までは壊れないことを要求しています。

 今回壊れた塀もこの基準は満たしていたことになりそうです。

 

Q:建築基準法令が損害賠償の根拠なのですか。

A:賠償義務の根拠は民法717条の工作物責任です。

 工作物の所有者は無過失でも責任を負うことになっていますが、「不可抗力」の場合には賠償責任を免れることになります。

 従って上記裁判や建築基準法施行令によれば、震度6以上の震度によって倒壊した場合には「不可抗力」であるとして賠償責任を免れることになりそうです。

 

Q:今回、仙台市の震度は6強でしたので、賠償責任は無いと考えても良いでしょうか。

A:基本的には震度6強であれば、不可抗力として責任は無いと考えられます。

 しかしながら、宮城県沖地震以来、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震のように震度6のものが何度か観測されていますので、「不可抗力」の評価についてもあらためて議論となる可能性は否定できないでしょう。

 

Q:倒壊したのが昔築造したブロック塀で、現在の基準を満たしていないものであっても、今回のような震度6強の震度であれば免責されるのでしょうか。

A:仮に、そのブロック塀が現在の安全基準を満たしていたとしても、震度6強では倒壊したことに変わりはないと判断される場合には、損害との因果関係がありませんので基本的には免責されることになります。

 

(関弁連編集の「Q&A 災害時の法律実務ハンドブック」(新日本法規)及び近弁連編集の「地震に伴う法律問題Q&A」(商事法務研究会)を基にして、解りやすく説明しました。)