震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

建築中の建物

Q:私は小さな建設会社を経営していますが、今回の地震で注文住宅が建築途中で全壊してしまいました。私の会社の費用で再築する必要があるのでしょうか。

A:民法上の原則からすると、請負契約は仕事を完成させるのが契約の基本的な内容ですから(民法632条)、請負人は再度建物を完成して引き渡す義務を負うことになります。

 しかしながら、注文住宅の建築であれば、基本契約を結んでいるはずで、その場合には多くの場合民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款によって法律関係が決められます。

 

Q:その約款ではどのように定めているのですか。

A:平成21年に改訂された同約款21条では、不可抗力によって損害が生じた場合、当事者が協議して重大なものと認め、かつ、施工業者が十分に管理をしていたと認められるときには注文者が損害の費用を負担すると定めています。

 従って、施工業者として再度完成させて引き渡す義務は負わないのです。

 

Q:今までの出来高分の代金は請求できるのでしょうか。

A:民法536条によれば、そのような場合には基本的には代金を請求できないのですが、先ほどから説明している約款では、代金も注文者が負担することになっています。

 但し、今まで述べてきたことは契約書上の定め方であり、当事者間で十分に協議することが必要です。

 

Q:もう1件の注文住宅は、完成して鍵を交付したのですが、入居前に津波で流されてしまったのです。 この場合には代金は請求できるのでしょうか。

A:鍵を交付したということは、基本的には建物の引き渡しを終えたことになるので、注文者が現実に入居していなくても、代金を請求することができると考えられます。

 但し、引渡証の交付の有無や建物の登記がどのようになっているかも判断の重要な要素となりますので、弁護士に事情を詳しく説明して相談して下さい。

 

Q:法律的には契約書のとおりになることは解りましたが、注文者が納得してくれるでしょうか。

A:契約書どおりの法律関係にあるということを前提として、更に十分注文者と協議することが必要でしょう。

 

 (関弁連編集の「Q&A 災害時の法律実務ハンドブック」(新日本法規)及び近弁連編集の「地震に伴う法律問題Q&A」(商事法務研究会)を基にして、解りやすく説明しました。)