震災法律相談Q&A

2011年3月11日に起きた地震や津波に遭われた方々の力になれればと思います(弁護士法人杜協同)

生命保険について

Q:今回の大震災では多くの方が亡くなりました。亡くなられた方が生命保険に加入していた場合、保険金は支払ってもらえますか。

A:生命保険では、被保険者の死亡の原因が災害であったとしても、保険金は原則として支払われます。

 各保険会社の約款では、地震等の際には保険金を削減したり支払わないことができるとの免責条項があることが多いですが、今回の大震災については、すべての保険会社がこの免責条項を適用せず満額支払うことを表明しています(社団法人生命保険協会HP参照)。

 また、「災害特約」を付けていた場合には、保険金が増額されることになります。

 

Q:保険金の請求はいつまでにすれば良いですか。

A:保険金の請求権についての消滅時効は3年とされています(保険法95条1項)。

 

Q:津波や火災で保険証券を紛失した場合にはどうなりますか。

A:保険金を請求する際には保険証券を含む書類の提出が必要となりますが、保険証券は紛失した場合にも保険会社から再発行してもらうことができます。

 また、今回の震災では、多くの方が保険証券や印鑑等を紛失していたため、金融庁と日本銀行は地震当日に保険会社に対して、保険証券や印鑑を紛失している場合でも可能な限り柔軟な措置を講じ、支払いも迅速に行うように要請しました。

 具体的には各保険会社に問い合わせてみて下さい。

 

Q:津波等で被保険者も受取人も亡くなった場合には、誰が保険金の支払いを受けるのですか。

A:受取人が死亡した場合には、本来は被保険者が受取人の再指定をすることになります。

 しかし、今回の震災のように、被保険者と受取人とが同時に死亡したとき(再指定をする前に死亡したとき)には、受取人の法定相続人が保険金請求権を相続することになります。

 ただし、かんぽ生命保険(旧郵貯)の簡易生命保険の場合は、上記の取り扱いと異なり、被保険者の「遺族」が新たな受取人となります。詳しくはかんぽ生命に問い合わせてみて下さい。

 

Q:今回の震災では行方不明の方も多数いらっしゃいますが、この場合にも保険金は支払われますか。

A:生命保険では、被保険者が死亡したときに保険会社に保険金支払義務が生じます(被保険者が死亡したことを証明する書類の提出が必要になります。)。

 したがって、行方不明の状態のままでは保険金の支払いを受けることはできません。

 しかし、利害関係人の請求により家庭裁判所から失踪宣告を受けた場合には(民法30条)、法律上死亡したとみなされ(同31条)、相続開始等の効果が生じるとともに、保険金の支払いを受けることも可能となります。

 なお、保険金の支払いを受けるためには、死亡したとみなされる効力が生じるまで生命保険が有効である必要があります。失踪宣告を受けるまでの保険料の支払いについては、各保険会社に問い合わせてみて下さい。

 

 (関弁連編集の「Q&A 災害時の法律実務ハンドブック」(新日本法規)及び近弁連編集の「地震に伴う法律問題Q&A」(商事法務研究会)を基にして、解りやすく説明しました。)